p1*簡易手描きアニメ作製法 自家版

いきなりですが
きわめて私的なアニメの作製方法を簡単に解説してみます
箇条書きなので読みにくいと思いますがご了承ください


前書き
動画は紙に描きます。ここら辺は普通のアニメ作画方法とほとんど同じなので解説省きます
取り込み後の作業は彩色から動画作製までほぼ9割photoshop cs3で行います
解説はCS3エクステンデット版で行います(結構高価なソフトなので実はあまり参考にならないかもしれません 体験版のダウンロード先はこちら
余暇の限られた時間で作業するため、通常のテレビアニメーションの作業方法よりかなり手を抜いています


1 作画
水色罫線の方眼紙(オキナproject paper)に青色のジャーペン(uni COLOR 0.5消せるブルー)でラフを描き、

その上から直接B以上の濃さのシャーペンで清書していきます
消せるブルーの芯は消しゴムで消えるので便利です
清書はスキャニングの時に線が消えないように濃く描きます
彩色で線に隙間が有るとそこから色がはみ出すので線は閉じます(白目以外はほぼ全部閉じます)
見た目は悪いですが、意図的に交差するぐらい引いておくとドットの抜けを防止できます
(本来丁寧に清書して交差した線のはみ出しは全部修正しますが、止め絵のクオリティで描く場合以外は手を抜きます)


方眼紙はトレスするときに下の紙とのズレをなくせるので白い紙より便利です
キャラを移動させるときに1目盛りづつ等速移動させたり、1マス、2マス、4マス…と加速させるガイドにも使えます


2 読み込み
オートドキュメントフィーダーのついたスキャナーで連番ファイルとして読み込みます
(普通のスキャナーで読み込んでもかまいません。むしろオートドキュメントフィーダーは取り込み時に縦スジのノイズや紙づまりが起きる可能性が有るのでそこら編のリクスよりも手間を優先する場合のみ使用した方がいいでしょう。私は取り込み中に風呂や食事をしてます)

3 photoshopで読み込み
Photoshop CS3 Extendedには連番ファイルとレイヤーとして読み込む機能があります。

同じ機能はphotoshop cs2、photoshop7の付属ソフトであるimage readyでも行えます

4 とりあえず動かしてみる
スキャニングしたときに生じる、取り込み位置の若干のズレを方眼紙の罫線を重ねて使って修正します
photoshopでレイヤーをアニメーションフレームに変換する機能を使って取り込んだ動画を動かしてみます(彩色した後に動きの修正するのはめんどくさいのでここで大まかな動作チェクをします)

プレビューの速度はマシンンスペックと画像解像度に影響されます
cs3はほぼリアルタイムでプレビューできますが、
sc2までは一度書き出してからでないとリアルタイムで再生はされません


動かすとこんな感じになりました

はてなfotolifeがアニメーションgifに対応してくれたおかげで説明が楽です)


5 塗り分け線を引く

 青鉛筆で描いた塗り分けの線を彩色するレイヤーの上に新規レイヤーを作ってなぞります

はみ出す分には問題ないのでかなりおおざっぱに塗り分けます
(本来のアニメ制作では塗り分け線は動画用紙の裏に描いたり別の描いたりするようですが、一人で作業するときはヌキやハイライトの指示は無くても問題ないので簡略化します)

6 色調整
photoshopのアクション機能で青線の消去と、鉛筆線を二階調化する処理を行います。
イメージ、色調補正、色相と彩度でシアンとブルーの明度を100%にして青色を飛ばします。

7 彩色
バケツツールで基本色を塗りつぶし。
その後、塗り分け用のレイヤーを表示して、塗りつぶしオプションをすべてのレイヤーにチェックを入れ、影の部分を塗塗りつぶします。
2段影の場合は、塗り分け線の幅で隙間が出来ますが、縮小する段階でぼけて見えなくなるので、クオリティを要求される絵以外はそのままにしておきます。


8彩色後のプレビュー
イロパカが無いか確認したら背景を彩色します
1ドット程度の色抜けは動画にしてしまえば普通の人間の動体視力では判別できないので
気になる部分や顔周辺だけ手直しします

9背景の移動
背景が移動する場合、photoshopのアニメーションパレットにあるトゥーインという機能を使って等速移動させます
トゥーインには特定レイヤーの上下への等速直線移動とレイヤーの透明度を徐々に変化させる機能があるので、そこら編を組み合わせて背景の移動や場面の切り合えを行います
加、減速する背景は1フレームづつ手作業で行います
photoshop単体では難しい処理はアフターエフェクトで作業します

10 特殊効果
透過光は専用のレイヤーを作り、レイヤー効果と透明度で調整します
火花がアニメーションする場合は、透過光に使うレイヤー全部にレイヤー効果をコピーして同じ設定にしてます

発光と煙のレイヤー

透過光と煙の透明度を徐々に変更
銃と合成

11 書き出し
彩色が完了したら動画フォーマットで書き出しします。普通のアニメだと秒間24フレームですが、自分ははじめから30フレームで作ってます。
ネットに上げる場合はアニメーションgifにするので、色数とサイズを減らして軽くします。


特に普通の動画の作り方と違うところは
1カット単位での作画〜編集ではなく、一連の動作を一度に作製してします
こうする事でカットつなぎの調整を後でする手間を省きます(長いカットだとレイヤーもファイルサイズも膨大になり処理が大変ですが)

参考サイトなど
動画自体の作成方法やレイヤーの使い方はその道の第一人者である活動漫画館ののすふぇらとうさんがGIFアニメ講座/300万hit記念で解説しているので未見の方は目がさらになるまで精読してください
…っていうか、アレみれば私が説明すべきことは何も無かったりしますw
書籍ではイメプロさんの出版した書籍でimagereadyでのアニメーション作成方法が詳しく掲載されてます。初心者向けに詳しく描いてあるのでとっかかりとしてはいいです。本の内容については作家さんのサイトで確認してください。


無料の動画作製ツールに関しては大日本動画帝国さんのQ&Aなどで調べてみてください