メディアにおける銃の間違った取り扱い

島国大和のド畜生

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形状の間違い:
望月三起也がアシスタントにモデルガンや戦闘ヘリのプラモ渡して描くようにいったら
分割線や玩具メーカーのロゴまで描かれてしまったとインタビューでいっていた。
エアガンをそのままスケッチすると、ライフリングが無く口径がBB弾のサイズになるので、大口径の銃ほど変になります


私もニューナンブ描く時、エアガンメーカーごとに細部の形状が異なりどれが本物か迷いました。


今ならネットで車両や銃の画像資料どころか動画まで探せて便利になりましたが昔は月刊GUNやアームズマガジンやエアガンカタログ、玩具の資料など大量にあって整理が手間でしたね。今じゃ名称やメーカー名入れるだけで画像検索できるもんな〜





演出の間違い:

昔の日活映画で俳優がオートマチックを1発打つたびに手動で排莢しているシーンとかあるようです。当時の撮影スタッフ誰も本物を知らないので気がつかなかったとか…
俳優は迫真の演技でリロードしてたとか…1発ごとに火薬を取り替えるのがリアルだと思い込んでいたようです…


やくざ映画で鉄砲玉が銃を打つときにドスのように前に突き出しながら発射するのは…初速と射程距離を上げるためw…と雨宮慶太がネタにしてしてました



映画の間違った影響で死者が!:
安部譲二が刑務所で銃で人を殺した男に話を聞いたら
『気絶させようと銃の台尻で殴ったら死んでしまった』(映画だとソレで気絶するのでまねしたらしい。殺意は無かったとか)
…という笑えない笑い話。
映画の影響恐るべし。鉄のかたまりで後頭部殴ったらカチ割れるよね


ダイハードではグロックがプラスチックボディのため金属探知機に引っかからない…という設定でボディチェックをすり抜けてましたが、弾丸が金属なのでそういう使い方はむりなんじゃ…でも映画として面白いからアリだと思う…


せめて火薬をつかってくれ:
動画編集、合成ソフトの低価格化、マシンスペックの向上でB級映画では発砲エフェクトを合成するだけの作品(薬莢は3Dでそれだけ質感が違う)も登場してきた。
この手の作品はパッケージだけが豪華で特徴としてマトリクスやアンダーワールド風のデザインやタイトルでレンタルコーナーに並んでます。
タイトルやパッケージは日本の配給会社が国内向けに作り替えてるのでヒット作と似たようなタイトルやデザインばかりで、パロディAV気分で楽しめます
…がせめて発砲音ぐらいはデジタルっぽくしないでもらいたい。
この手の映画でオチに大爆発が入ると、建物の爆発すらデジタルなので、泣きたくなるほどしょんぼりします。


映画は火力だよ兄貴。ダークナイトの火薬量は半端じゃなかった。もしかしたら合成かも知れないけどあれだけリアルなら素直にだまされてきゃっきゃうふふと花火を楽しめる。


音素材として業務用の銃声効果音「ダイナミックレンジ」が欲しいのですがは税込み48800円はさすがに手が出ません。



ぶっちゃけ描き手の意見…:

直線が多く形状がシンプルなコルトガバメントでさえ結構描くのに手間がかかる。デザートイーグルやベレッタになると曲面の扱いもあるし、ライフルになるともう逃げ出したくなります。



前に描いた動画では左手で銃撃つと排莢が顔の方に飛んできて危ないから
右手はガバで左手はパイソンにしたのですが、両手に違う銃持つだけで手間が倍になります
2丁拳銃の段階で嘘くさいですが、両手に銃持ってたらリロードするとき大変です



普通のリボルバーって左側にスイングアウトするけど、左で持ってると手首の外側にシリンダーが出てしまうので、その状態で弾込めるのは姿勢的に辛い。
右手で使う事前提の道具の最たる物だろう。中折れ式にしておけば良かった…


リボルバーに一発づつ込めるなんてめんどくさいのでクリップにしたが、映画でつかってるの見た事無いので実際にはどうやって挿入するのか知りません。最後ねじって外すの?



そんなことを銃の素人が、演出ではこうしたいけど実際にはどうすんの…とか悩みながらやってたら全然進捗しないのでそんなことなら適当いいじゃないか…と思う訳です。

タクシードライバーの袖から出る銃は小口径ですが、あれをベレッタでやる映画やマンガがあったり、あまつさえ「ボディチエックでばれない」ってあり得ない〜なんて事よりも、袖からシャキーンと出てくるインパクトの方が絵的にかっこいいからアリだと思う訳です。

でも自分が一読者のときは「アイツ銃のこと全然わかってない」と文句言うから立場で発言はずいぶん変わります


今度描くときは、左手用のカスタムハンドガンをオーダーメイドで作ったんだ! といってごまかそうと思います。
だいたいハカイダー(雨宮版)がサウスポーなのは「ライバルだからサウスポー」じゃなくて、バイクのアクセルが右にあるから左手で銃を扱う必然性からだ…と言われても、だから何? で終わってしまいそうです。
まあ刑事物や特殊部隊もので銃描写が適当だと確かに悲しくなりますが、ジョンウー系ならノリで楽しむしか無いですね。リベリオンなんて
袖から大型拳銃出しておいて、何十発もフルオートで乱射したあげく、思い出したようにリロードしたりするので、装弾数いくつなんだよ…と

銃描写にこだわる作家:
山本貴嗣(アモウ)リボルバーのクリップでの装弾、サイドアームの準備など。片腕を背中からまわした2丁拳銃の構え方は妙に納得させられる。
うすね正俊(砂坊主)ポンプアクションショットガンの利点を生かして様々なシェルを使い分けている。
園田健一(ガンスミスキャッツ)全編うんちくの固まり。
この作品で突然cz75が有名になりましたねhttp://d.hatena.ne.jp/makaronisan/20061108/1162921659
この人に嘘を言われたら絶対だまされそう。


でも俺にとってガンアクションはワイルド7に始まりトライガンヘルシング経由でブラックラグーンに終わる…といった感じなので
銃はキャラクターの個性の一部…っていうか男根? エロマンがでそんな勢いと量で精液でないよっ! 俺は男だからわかる、あの描写は嘘だ。
と突っ込まれても、いや…フィクションだから…としか言いようが無い訳でして。結局楽しんだもの勝ちだよね…と


まあ個人的にはガンマニアの友人とトリガーハッピーな映画見て語りたいし、お前の絵のここがおかしいと指摘されるのもありがたいのですけど。



そういえばこの前取引先に超絶なガンマニアの方がいてお互いジャブのように仕事と関係ない話の中に銃の話題を混ぜていて、さすがにここまでの話題はついてこないだろう…と探りを入れつつ全部倍返しされて「やべえ、こいつは本物だ」と焦った事がありました。
お願いですがから数百円の中国製玩具とコルトガバメントを比べて、こんな品質では御社の製品は扱えないとか無茶言わないでっ
CZ75を持ったキャラのフィギュア作らせたら、五四式拳銃そっくりになってあがってくる国なんですから
デッドコピーってこうして出来上がるんだな…と怒るのも忘れて関心してしまいました。